菜遊季のこだわり
人気店が軒を連ねる食の中心地、トンロー通りに面した「菜遊季」。真っ白にはためくのれんと格子戸に一瞬、料亭?と身構えつつ店内に足を踏み入れると、鼻腔をくすぐる出汁のいい香り。旬の魚を中心に、正統派から創作料理までさまざまな居酒屋メニューが揃い、カウンターの上を彩るおばんざいは一皿80B~と実にお手頃価格。
白出汁で作る豚じゃが、茄子の揚げ浸しなど、日替わりのおばんざいは常時10種類以上。この日並んでいたのは、完成までに7時間を要す角煮、透き通るような黄金色の出汁で仕立てたおでんほか、どれもが心なごむ美味揃い。母体は神戸発の和食処だけに、味のベースは上品な薄味で出汁の旨みが際立つ関西風。一皿一皿に、厨房をあずかるベテラン料理人の創意工夫とまごころが光る。
ホッと落ち着く上品な味わい。盛り合わせて定食にしても◎
こちらの名物は外側カリッ、中はふんわりの揚げたてで提供される「出来立て自家製厚揚げ」。シンプルに薬味と醤油を回しかけるだけで最高に美味しく、ハフハフと口の中で転がしてるうち旨みがじゅわ~っと広がり、幸せの余韻がどこまでも続く。勢いよくかぶりつくと口の中をやけどしてしまうのでご注意を。
揚げたての醍醐味が詰まった、出来立て自家製厚揚げ(130B)
高い人気を誇る「せいろ蒸し」は、不足しがちな野菜もたっぷり摂れるヘルシーな一品。蒸気で加熱するため栄養素も逃しにくく、肉と野菜がもつ自然な甘さを余すことなく楽しめる。しっとりと絶妙な口当たりの肉も、肉から出るエキスを吸った野菜もまた格別の味わいだ。ビールや焼酎、日本酒とどんな酒にも合うのも頼もしい。
ふわりと湯気が立ち上るせいろ蒸し(200B)はポン酢でどうぞ
のどぐろ塩焼き、ニシンのお造り、なめろう、日本産直の魚介をふんだんに、コスパ抜群で提供してくれるのも同店の大きな魅力。日替わりの一品は100B~200B中心に、旬魚を味わう寿司も一貫50Bから、ぶりしゃぶ、鯛しゃぶなどの鍋は2人でシェアして丁度いいサイズで350Bからと、これまたリーズナブル。筋がなく食べやすい背骨周りの部位「天身まぐろ」や、無敵の旨さと評判の「蒸し穴子」のご注文もお忘れなく。
夜の定食メニューも充実している。一番人気はサクサクの衣をまとった「天ぷらセット」で、すべての定食は野菜サラダと漬物、味噌汁付き、ご飯のおかわりは無料と満足必至のボリュームで迫りくる。3種の鮮魚の味比べも楽しい「造りセット」ほか、いずれもめっぽう美味で、温かみに満ちた夕食タイムが送れるだろう。
1階には夜ごと呑兵衛で賑わう、ゆったり広々としたカウンター席。3階はテーブル席と完全個室、4階には座敷も完備され、仕事帰りの一人飲みからファミリー利用まであらゆるシーンで利用価値は高い。もちろん宴会も大歓迎。宴会コースは価格と希望内容を伝えれば、最適なプランを提示してくれる。飲放題(600B/2時間)を組み込むことも可能だ。
店全体を包む、気兼ねなくさらっと立ち寄れる雰囲気も魅力
日本全国の銘酒も豊富に揃え、料理に合わせて一合から楽しめる。なかでも芋を中心に焼酎のラインナップはなかなかの通好み。たくさんの中からセレクトに悩むのもまた楽しいもの。3リットル入りの生ビールサーバを囲んでワイワイするもよし、数量限定ひれ酒をしっぽり味わうもよし。酒よし肴よし値段よしの、行きつけにしたい一軒だ。